腰痛学校
対話 健康 腰痛 腰痛学校
平日セルフケア.jpg

~治療者ルール9~(伊藤かよこ作)

1.最も重要なのは鑑別診断である。ありふれた「肩こり」「腰痛」であっても、常にレッドフラッグを意識し、必要を感じた場合は、医療機関の受診をすすめること。

 

2.できる範囲で最新の科学的な知見を入手する努力をすること。同時に、科学的根拠の信頼度を見分けるリテラシーを身につけること。「ガイドライン」「エビデンスレベル」「推奨度」の意味がわかることは、医療従事者としての最低ラインである。

 

3.危険ではない疾患に対して、もっとも簡単で効果的なのは「安心」をあたえること。治療者の態度や言葉のひとつひとつが、患者さんの「安心」につながっているかどうかを確認し、意識すること。

 

4.危険ではない疾患の多くは、余計なことをしなければ自然に治る。余計なこととは、「機械のように修理が必要であるとの考え」「症状に注目させるようなアドバイス」「不安や心配を与えること」

 

5.患者さんをよく観察すること。部屋に入って来た瞬間から、歩く、座る、横になる、起きる、その一つ一つの動きとそれに伴う表情から読み取れるものはとても大きい。

 

6.患者さんの話を全力で聞くこと。必要な情報は的確な質問で集め、患者さんのもっとも伝えたいことは心で「聴く」。患者さんがどんな言葉をつかい、どんな表情で話すのか、その変化や違いを読み取れるようになろう。

 

7.治療的楽観主義を身につける。実際は治るかどうかはわからなくても、「きっと良くなる」と心から信じること。人間の身体は人智を超えた存在で、時に想像できないようなことが起こりえる。治療者が持つ、身体への「尊敬と信頼の念」は、患者さんにもきっと伝わるから。

 

8.自分の視野が狭いことを常に忘れないこと。複雑なからだの仕組みにおいて、わかっていることはほんの一握りである。
自分と同じく、他者の視野も狭い。断言する他の医療関係者の言葉は疑うこと。
また、人のからだは部分の寄せ集めではない。症状のある部分だけにとらわれないこと。

 

9.すべての治療者の存在は薬である。良くすることも、副作用で悪くすることもできる。
プラシーボ効果を知り、それを使いこなすこと。
ノーシーボ効果を知り、言葉に気をつけること。
みなさんの存在そのものを「薬」だと自覚し、その影響力に誇りと責任をもってください。
(作:伊藤かよこ)

© 2016 by Kayoko Ito